展覧会「リヒテンシュタイン」


リヒテンシュタイン侯爵家秘蔵のコレクション展が国立心美術館で開催されています。ポスターのこの少女の絵が観たくて行ってきました。オーストリアとスイスの間にあるリヒテンシュタイン侯国、この侯爵家は美術品収集を一族の栄誉と家訓としております。現在に至るまで続けられているようです。そのコレクションは3万点にも及ぶとのこと。そのうちの約140点が日本で初めて公開されるのです。ルーベンス、ラファエッロ、クラナッハレンブラント、ヴァン・ダイクなど巨匠たちの名画と華麗な工芸品揃いました。まあ豪華絢爛たる展示品。絵画の額縁もこれでもかというくらいに装飾してあります。どれも素晴らしい作品ばかりですが特に私が心惹かれた作品は。













16世紀ルネッサンス ラファエッロ・サンティの「男の肖像」。前に人物、背景に自然の風景の構図は当時のヨーロッパに広がったようです。モデルは誰か分かりませんが意志の強そうな目、きりりとしまった口元に品位を感じますね。黒に赤・緑の洋服が全体を引き締めているように思えます。














フリードリヒ・フォン・アメリングの「マリー・フランツィスカ・リヒテンシュタイン侯女 2歳の肖像」(1836年)
まあなんと可愛い赤ちゃん。ふっくりしたほっぺにカールした髪の毛。花に包まれた野原の夢を見ているような安心しきった寝顔。思わずほおずりしたくなりますね。しかし候女ですから気安くほおずりはできませんね(笑)。
アメリングの作品は初めて観ます。というか知らない画家でした。侯爵家の子供たちの肖像画を描いたようですが。なかでもこの作品は愛らしさが特に印象的な作品とのことです。光の具合も丁度いいですね。
オーストリアのビーダーマイヤーの代表的な画家らしいです。ビーダーマイヤーは19世紀前半のドイツやオーストリアを中心に広がり、身近の日常的なものに目を向ける市民文化の形態をいうらしいです。






ペーテル・パウルルーベンス「クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像」(1616年
ルーベンスの愛娘5歳のクララです。この絵には釘付けになりました。何回も戻っては観るを繰り返しました。ただ可愛いだけではなくまっすぐ前を見つめる目に利発さを、しっかりした小鼻に物怖じしない幼いながらも個性の際だつ女の子。父親のルーベンスはそんな性格をちゃんと捉えているような、愛情を注いで描いたいるようにみえます。残念ながらクララは12歳で亡くなりました。きっと素敵な女性に成長したでしょうに。
ルーベンスによる大人になったクララの肖像画を観たかったですね。