観世宗家展


三連休の初日銀座松屋でやっている「観世宗家展」に行ってきました。「能」というと去年鑑賞に行きましたがさっぱり良さが分からず苦痛に近い時間でしたが、装束や能面の展示ということでもあり、まあ招待券をいただいたこともありまして、銀座松屋で買い物をしたいその次いでといってはなんですがそんな感じ。所が魅せられました♪

観阿弥世阿弥父子は、室町幕府三代将軍足利義満よりの歴代の将軍に庇護を受け観世流を築きました。今も観世宗家には優美な装束や名匠の手による面が伝えられています。観阿弥誕生680年、世阿弥誕生650年記念による家宝の数々の展示です。
説明書によると装束は唐織が一番豪華。ポスターにもなっている装束がそれです。唐(中国)風の織物の意味で女役に用いられる能装束の中で最も華麗です。
縫箔は草花を中心とした模様で女役の腰に巻く着付や貴族・童子の着付に用いられます。
摺箔は型紙を用いて糊を置きその上に金銀箔をのせ模様を表します。嫉妬や執心を表す役には三角形の模様が連なった鱗を摺箔に用いるようです。装束にも演じる役の心が表現されるのですね。
能面は仮面ではない。メーキャップも顔面表情の演技用いず直面(ひためん)と呼ばれるように自分の顔をそのまま能面として用いる。能面はカブルのではなくカケルのであると書いてありました。ビデオでの説明もありましたが、「若女(わかおんな)」の面、嬉しいときは少し顔を上げ、悲しいときは少し下げ、怒りは、、(あれ忘れちゃった)という具合に少しの動きで確かに表情が変わります。

世阿弥の「風姿花伝」。自筆による演劇論です。「秘すれば花なり、秘すれば花なるべからず」「初心忘るるべからず」と芸道の精神や舞台演出、演技者の心得を伝えました。
装束の見事さ、能面の神秘さにうたれ、そしてビデオによる説明でなぜあんなにも動きがゆっくりなのか、それは喜怒哀楽をより強調させるためにも必要とのこと、それらが分かり能への距離が縮まったように感じました。
※写真は銀座松屋のホームページから