ごめんね けんたろう
母としてあなたに健常な体を与えられなかった
ごめんね 痛い思いばかりさせて
ごめんね ひろこちゃん
あなたに悲しい思いをさせて
夫が病気であることを気丈に受け止めるあなた
私はあなた達になにができるのでしょう
愛するあなた達になんの力になれるでしょう
ひろこちゃんとは 涙を流し
けんたろうには それでも頑張れとしか言えない
大阪の長男は腎不全です。14年前に私の腎臓を移植しました。当時移植しても10年くらいが目安と言われていましたが、少しでもそれが長く続くようにと日々祈る気持ちでした。お陰で14年持ちましたが今の医学ではまだまだ一生大丈夫と云うことはないのです。生まれ持った体質があるのかどうか。原因は分かりません。
去年から腹膜透析するようになり順調に過ごしていましたが、今回カテーテル周辺に膿が溜まり高熱が出て入院し、膿を取り除く手術をしました。
この土日見舞いに大阪へ。随分痩せましたが顔色は良く落ち着いていました。折角貰った腎臓をゴメンと謝る息子。もっともっと頑張って欲しかった私の腎臓と悔しく思う私。生体移植は貰った方にもドナーにもとてもデリケートな問題です。
支えてくれているお嫁ちゃんには言葉にならないくらいの感謝です。いつもニコニコと明るく毎日病院に来てくれるそうです。お嫁ちゃんは私たちの移植をした当時の病院の看護婦さんでした。(あらら、入院している間に長男は彼女を射止めたようです。痛い痛いといいながら案外ちゃっかりした長男です(笑))
今回は長男もさることながら看病するお嫁ちゃんを慰労するのも大きな目的。食事をしてバーに行って飲み、沢山語り合いました。お嫁ちゃんも久しぶりにお話しできて嬉しかったと言ってくれました。そんなことぐらいしか出来ない私です。
次の日には息子夫婦と仲良くしてくれているIご夫婦と一緒に病院に行きました。Ms.Iさんにお逢いするのは初めて。とても大人の女性で二人の力になってくれているのです。お二人に感謝する機会があってよかった。
子供が病気を抱えている現実は親として辛いことです。しかし本人はもっと辛いでしょう。でも幸いなことに明るい家族です。IPS細胞の実用化も大いに希望が持てます。医学の進化を信じてめげないでみんなで前向きに暮らしていこうと思います。
国立劇場の「神代曙」。エドヒガンと他種との雑種だそうです。濃い色のピンクでとても綺麗、満開でした。これは大阪に行く前の金曜日。夫はこの桜に息子が元気になるようにと手を合わせておりましたよ。きっと聞き届けてくれるでしょう。