滋賀県 佐川美術館「楽吉左衛門館」


19日日曜日は京都より湖西線に乗って堅田へ、そこからタクシーで佐川美術館にある「楽吉左衛門館」を目指します。十五代 楽吉左衛門さん創案の茶室見学に予約をいれてあります。写真の真正面が「楽吉左衛門館」です。
お茶室のコンセプトは「守破離(しゅはり」。「まずは師匠に言われた型を「守る」ところから修行が始まる。その型を自分と照らし合わせて研究することにより自分に合った型をつくることにより既存の型を「破る」。最終的には師匠の型、自分の型・技を理解できればその習得した型から自由になり、型から「離れ」て自在になることができる」ことだそうです。難しいですね。

コンクリートの打ちっ放しと古木と石と水で構成された茶室。無機質感は否めません。でも違和感はないのですよ。居心地もいいです。
もちろん撮影禁止ですので、以下の写真はいただいた小冊子からです。






三畳半の小間「磐蛇庵(ばんだあん)」。
水面下にあります。越前和紙で二方を囲まれて、二重張りされた壁紙の中にアクリルの三角柱が通り外からの光を室内に映します。風炉先は真っ黒な石。天井には煤竹。贅沢ですねぇ〜。












階段を少し上がればそこは開放感で満たされる
広間「俯仰軒(ふぎょうけん)」。
畳の面が水面の高さに設計されています。ガラスがあるように思えず水が畳をぬらすのではないかと意表をつきます。座して眺めれば心地よい開放感に離れがたく思います。





茶室を拝見した後は楽美術館で当代吉左衛門の作品の数々を観賞します。これで納得しました。楽さんはこのお茶碗に合う空間をこしらえたんだと。斬新的なお茶碗は昨日の桐蔭席には合うようには思いません。だからといって悪い訳ではありません。今この時代に当代は自らの作品とそれを受け入れる茶室を作られた。それもこの時代の文化です。
茶室の基本は外さず「守」、既製の茶室の概念を一旦捨て「破」、その上で新しい展開生み出す「離」。このコンセプトが理解できたような気がしました。
佐川というスポンサーに恵まれて良かったですね。大手企業は茶道に限らずこういう文化に支援を惜しまないでほしいです。
土曜・日曜と茶道にまつわる二日間。充実した時間を有り難く思います。折角の滋賀県ですので三井寺に寄って帰りました。