読書感想文 もうひと花学校 1年3組

「本読む馬鹿に読まぬ馬鹿」なんて言葉がありましたっけ。私はどちらかといえば根を詰めないで読むほうで「読んだり読まなかったりの馬鹿」に該当。いずれにせよ馬鹿には違いない(笑)


最近読んだ本です。ちょっと趣味に寄った本が続きました。これ全部読み切ったわけではありません。途中でさじを投げたのが2点。ingが1点。
「中国と茶碗と日本と」作者は彭丹(ほうたん)さん。四川大学で日本文学を学び来日。法政大学の講師でらっしゃいます。研究の傍ら茶の湯能楽・禅などの日本文化に親しんでいます。茶の湯を習ううちに中国から伝わった唐物の茶道具がこんなにも日本であがめられる不思議に出会います。中国では下手物だった茶碗や香油入れだった小壺が茶入となりもてはやされる謎。う〜む、最初の四分の一くらい読んでストップしています。中国が上で日本が下っぽいニュアンスを感じて、正直少々面白くない。心が落ち着いたら続けて読んでみます。

上野千鶴子さんは前々から興味がありましたがちょっと難しいかなと。そういってては読む機会をなくすと手に取りました。「女たちのサバイバル作戦」。日本の働く女たちは本当に働きやすくなったのかを問いかけ検証していきます。ネオリベラリズム新自由主義)がもたらした効用は? う〜む、こりゃ難しい本です。ついていけません。大学院の講義を受けている感覚。完全に私は落ちこぼれ。もし上野女史の学生だったとしたら試験の解答には「それはさておき、身の下相談について述べたいと思います」で逃げる作戦しかありません。
「身の下相談にお答えします」は朝日新聞 be「悩みのるつぼ」の読者の相談に答える上野女史のお見事な回答集。断然面白いです! けらけら笑いながら人生勉強・生きる知恵を学べます。身の上相談ならぬ身の下相談。こちらの上野女史にぐ〜んと親近感を持つ私の教養度合いは。。。テッヘヘヘヘ

俳句に関わる本です。伊集院静さんの「ノボさん」。正岡子規夏目漱石の友情を描いた作品です。正岡子規というとNHKドラマの「坂の上の雲」で子規を演じた香川照之さんの印象が強く読んでいても香川さんの顔が浮かんできます。適役でしたね。子規がノボさんと呼ばれるのは幼名が升(のぼる)だから。今一度現代俳句の創立者正岡子規のことを知りたかったから。現在はホトトギス世襲制になり家元みたいな感じがするのでちょっとね。原点に立ち戻るのもいいかと。
子規は落語や浄瑠璃・講談が大好き。浄瑠璃を見て「ほんに、ほんに哀しいことじゃのう」と涙を流したそうです。漱石との交友はもちろんのこと母や妹、虚子や碧梧桐らの弟子達との関わり方も綴られております。

三田 完さんの「草の花」。ゑぽむさんオススメの一冊。ただいまing 。俳人の作品らしく句がちらばめられた句会小説です。3名のヒロインの行く末や如何に。読み進むのが楽しみな作品です。

俳句集2点。松本恭子さんの「檸檬の街で(れもんのまちで)」。その中で私の好きな句の紹介。
 シャワー全開 夏は哀しみ持っていった
 花火買う 祖母に逢いたい数ほどです
 梅一花ほどの勇気を 下さいな
 夏嵐 ジェラシー上手にしまったわ
 薄墨桜 きれいな嘘を下さいな
 檸檬シュパリ カリ わたしの敵はわたし


櫂 未知子集
 シャワー浴ぶ悪事の前とその後と
 春は曙そろそろ帰ってくれないか
 佐渡ケ島ほどにふとんを離しけり
 ふるさとの雪は筋肉質なりき
 もう生まれなくとも良いと蝶に言ふ
 絶景やそらまめに塩われに君

「春は曙そろそろ帰ってくれないか」 夜を共にした男性に向かって思うのです。そうです。女だって追いすがるばかりではありません。この句に出会ったときは目から鱗。心情的な句も勉強したいと思います。