和巾点(わきんだて)

次男と私の誕生日は一緒なんですよ。食事に行く前に家でお茶を点てました。次男を誘ったのですが、どうもあの子は抹茶が好きではないようです。で、いつものように夫婦二人。

9月に業躰先生のお稽古があって「和巾点」をみていただきます。このこともあって予習をかねてこのお点前に。和巾点は名物裂(めいぶつぎれ)の古袱紗(こぶくさ)の上に同じ裂地で作られた仕覆(しくふ)に入れた中次を載せて扱う濃茶のお点前です。裏千家11代玄々斎(げんげんさい)考案のお点前です。



写真はお点前の準備の飾り付けの状態です。名物裂(めいぶつぎれ)とは、鎌倉時代に伝来した高僧の袈裟や仏典の包み裂などのことですが、茶の湯の発展と共に茶入の袋つまり仕覆や古袱紗に作り直され使われるようになりました。そんな名物裂で作られた古袱紗と仕覆を使うお点前を和巾点といいます。
我が家にそんな名物裂の古袱紗やお仕覆があろうはずもありません。古袱紗の中でもちょっと上等そうなものを使い桑の中次はないので棗にしてお稽古をしました。水指も本当は瀬戸の一重口を使います。
お道具がなければいろいろ工夫をしてやります。なんだか私はその工夫ばっかしの茶道人生のようでござりまする(笑)


中次は蓋と身の合わせ目(合口)が胴のほぼ中央にある薄茶器のことです。和巾点では桑で作られ内は金箔された中次が使われます。それだけ名物裂地を立てているからでしょう。
※写真はWEBのものを借用





一応着物を着ますと背筋が伸び、あり合わせのお道具和巾点ですが、お点前に妥協はなくきちんといたします。



お客の夫もお茶の頂き方を予習して(漫画のお茶初級編で)、座ります。
こんな緊張感もルーティーンな日々には案外刺激になりますでございます。