2014年9月の俳句

身につける飾りは要らぬ大花野 (みにつけるかざりはいらぬおおはなの)

季題:花野は秋の草花が一面に色とりどりに咲き乱れる野原。そんな自然の原っぱは身近にはありませんので、目を閉じ想像の翼を広げてみます。まあなんと花々の可愛く美しいことか!花にそっと手を添える、、、指輪は要りませんね。花の匂いをそっと嗅ぐ、、、首飾りは要りませんね。



温もりを少し残して夕芒  (ぬくもりをすこしのこしてゆうすすき)

さすがこの頃になりますと夕方空気はひんやり。それでも昼間いっぱい日を浴びた芒にはちょっとその温もりが。季題は芒。



まとはりて親しげなりし秋の蝶  (まとわりてしたしげなりしあきのちょう)

秋に飛んでいる蝶はなんだかはかなげですね。9月のわびしさでしょうか、ひとなっこい蝶と友達になれました。季題は秋の蝶。



来ぬひとをそれでも待ちて夕月夜  (こぬひとをそれでもまちてゆうづきよ)

秋の月は美しいですね。そしてなんだか人のロマンチックさをかきたてます。日本家屋には2階の窓にちょっと腰掛けられるほどの幅のスペースがありましたね。あれはなんという名称でしょうか。いまでも実家にはありますが。そうです、そこに座って月を眺めながら、ひょっとしたら来てくれるかもしれないと、淡い期待を持つのです、乙女は。。。季題は夕月夜。





国旗揚げ見上ぐる父に秋高し (こっきあげみあぐるちちにあきたかし)

88歳の義父は旗日には国旗を出すそうです。これはこの間の敬老の日。夫が写メールを送ってくれました。現在どれだけの人が祝日に日の丸を掲げるでしょうか。この写真を見て義父をいとおしく思えました。律儀なおとうさん。
季題は秋高し。秋は空気が澄み空が高く感じることです。
※俳句では例え義父でも義母でも「父・母」としなさいと教わりました。

写真掲載は一応息子さん(つまりは夫)に了解を得ました。一応念のため(微笑)