横浜中区 野毛(のげ)町

♪野毛の山からノ〜エ、野毛の山からノ〜エのサイサイ♪
皆さん一度は耳にしたことのある民謡。この野毛は一大繁華街。居酒屋がひしめき合っています。最寄りの駅はJR桜木町。明治時代、三菱重工業横浜造船所の開設とともに飲食街として栄えました。風俗やゲイバーのメッカでもあり、なかなかの猥雑ぶりです。
そう、ここに何の用があって来たのかって不審に思いますよね。まさか熟女バーの面接???
熟女には入るわけないか、年齢的には10年ほど前に終わっています(涙

ここに「横浜にぎわい座」という寄席の小屋がありまして来たんでございますよ。柳家さん喬師匠の独演会なのです。開演前にぶらっとしてみたんですよ。あるわあるわ、飲み屋が、ホルモン屋が。どのお店もオープンで健康的ですらあります。危険な香りのするお店はもっとひっそりしたところにあるのか、、、興味津々で歩いてみます(こういうオバハンはきっと始末に悪いんだわ)と一人つっこみいれながら。
しかし、物見遊山で歩く場所ではないですね。居酒屋が呼んでいます。「飲まなくちゃ、入らなくちゃ」と思うのですが、さすがオバハンも一人では入りにくい。さすがにレディの部分が邪魔をする(けっ、そんなもんあるのかしら)
また、今度飲み友達に連れてきてもらいましょう。



そして人混みの外れたところにジャズ喫茶で有名な「ちぐさ」。2007年1月末に閉店しましたが、2012年3月11日、旧店舗と同じ野毛地区の別の場所で営業を再開しました。常連客で結成した「ちぐさ会」で運営しているとのこと。「入ってジャズを聴かなくちゃ」と心躍りましたが、生憎、さん喬さんの開演時間も迫ってきました。機会を改めて訪れることにしましょう。






横浜にぎわい座は落語、漫才、大道芸などの大衆芸能の専門館です。平成14年生まれ。まだ新しい小屋です。館長は桂歌丸さん。
さん喬さんは「雪の瀬川」をやってくれるので、それを聞きたい一心でやってきました。雪の瀬川は1.5年ほど前聞いてすっかりファンになって、この噺をやってくれるのを待っていたのです。長い噺で1時間はたっぷりかかります。前半は笑わせますが、後半は泣かせるお噺です。内容は以前に書いておりますのでご興味のある方はこちらへ
http://d.hatena.ne.jp/nikkokisuge/20131201/1385852984



柳家さん弥さんはさん喬さんのお弟子さん。この4月に真打ち昇進とのこと。「家見舞」兄貴分の新築祝いに弟分二人が、水瓶を買うお金がないので、肥がめを持って行き、洗うには洗うけれどなんとなく気分の問題。新しく水を張って、その水を使った湯豆腐やご飯を出されるけれど食べられない。そりゃ食べられませんよね(笑。

さん喬さん「二番煎じ」。現在も我が町内では「火の用心」と回っていただいております。有り難いことです。
江戸の町内に今晩も商家の旦那衆が集まって火事番です。二組に分かれて町内を回ります。寒いからといって提灯は股ぐらに挟んで暖を取る横着をしたり、拍子木も袖に入れて叩くものだから音も出ない。カスッとしかでない。火の用心、さっしゃりませ〜のかけ声も謡の調子になったり、新内風になったりで、その様子をさん喬さんは、さすがに笑わせてくれます。
番小屋に帰れば、ついつい暖を取るためのお酒を呑み、猪鍋を食べたりでドンチャン騒ぎ。騒ぎを聞きつけて同心がやってきます。煎じ薬だと言われてお酒と分かりつつ、自分もいけるほう、同心は「体に良さそうな煎じ薬じゃ」とおかわりをする。猪肉も口直しとだされ、ついにはお酒も猪鍋も全部平らげてしまう・・・・・
「一回りしてくるゆえ、二番煎じを用意しておけ」 
昔からお役人は自分の得とあらば見逃し、それにつけ込む態度のでかさ、図々しいお人が多いようでございます。