「畠山即翁の大師会茶会」

畠山記念館で開催されています。私の場合、そもそも「大師会茶会」って何? から始まります。説明書によると
三井物産創始者で茶人の益田鈍翁(ますだどんのう)が明治28年(1895)に弘法大師の筆による「崔子玉座右銘」を入手し、翌年、それを披露するため、大師の縁日にあたる3月21日に品川御殿山自邸で茶会を開いたことに始まります。「西の光悦会、東の大師会」と称されるように、現在まで続く二大茶会のひとつです とあります。現在まで続く二大茶会のひとつなんですね。
そんな茶会ですので茶席の亭主を務めるのは大きな名誉でしょう。畠山記念館の創設者 畠山即翁は昭和12年に亭主を務め、今回の展覧会はその時に使用したお道具組を茶会記を参考に再現したとのことです。信長・秀吉・利休を意識した豪華な取り合わせを心ゆくまで拝見させていただきました。

チラシに載っています井戸茶碗は重要文化財 銘は「信長」。信長という銘が付いているなんて信長が知ったら、「わしの名前を断りもなく付け追って 打ち首じゃ!」とそりゃエライ剣幕と思うところですが、織田信長自身が所持したことにより銘が付いたということです。なぜか胸をなで下ろします(笑)  高麗茶碗のなかでも尊ばれる大井戸茶碗です。

私が今回何よりも心に残ったのは、チラシの中央に載っています 利休作の茶杓 銘「落曇(おちぐもり)」です。茶杓は竹で作りますので必ず節があります。節は大体真ん中あたりか、元節といって一番下に置かれますが、この茶杓は節が下三分の一に置かれています。そして櫂先が広がった珍しい形。私などお茶が救い出しやすくていいな なんて下世話に思ってしまいますが、大きめで大胆な形に利休様の懐の広さと物事にとらわれないお心に触れさせていただけたようで、末端のそのまたそのまたう〜んと末端の私にさえお力をくださったように思え、ただただ有り難く。。。。
なんか宗教っぽくてごめんなさい(笑)。でも何百年も続く文化に触れるということは、こういう事かもしれないと思う今日この頃でございますことよ。
象牙で作られた茶杓を使う上のお点前もあります。



益田鈍翁ゆかりの茶道具も展示されていました。
その中の一つ 
鈍翁作黒楽茶碗 銘「於多福(おたふく)」
名の通りふくよかなお茶碗ですね。







今年は弘法大師高野山開創から1200年、鈍翁が「崔子玉座右銘」を入手して120年という記念の年でもあるということで企画された展覧会となったとのことです。
しかし、美術館もそれぞれを展示するに当たり、テーマを決めて展示品を揃える・組み合わせる お仕事に開催するスタッフは大変でしょうね。頭が下がります。