2015年8月の俳句

この猛暑で我が家の朝顔はいっこうに咲きません。蕾はつけるのですが開けれず朽ちてしまいます。
それでも芙蓉の花は強いですね。うちの周りでは元気に咲いています。


酔い始む君に恋して酔芙蓉  
(よいはじむきみにこいしてすいふよう)

季題は芙蓉・酔芙蓉。一ト日花ですね。酔芙蓉は咲き始めは白く、次第に紅色に変わっていきます。それがだんだん酔っていくようなので「酔」がついています。この句は解説するのは野暮ってもんで。



祖父よりの硯や洗ふ子に重し  (そふよりのすずりやあらうこにおもし)

季題は硯洗(すずりあらい)。七夕の前日に硯を洗って文字の上達を願うのだそうです。きれいになった硯で七夕の短冊に願いを書くのです。幼い子には立派な硯は重い。しかも割ってはいけないのでなおさら気を遣います。



青放つ一閃太き稲光  (あおはなついっせんふときいなびかり)

稲妻は一本だけもありますが、ナイヤガラの滝のように幾筋の並ぶものもありますね。この時の稲妻は極太。迫力ありました。しかし稲妻は光だけ。雷のように音はないので怖さはありません。だいたい遠くの空に走ります。
季題は稲妻・稲光



草の市触られ馬はかたむきし  
(くさのいちさわられうまはかたむきし)

季題 草市はお盆の用品を売るので盆の市とも言われています。昔はずらりこういうお店が並んだようです。東京では月島の草市が有名らしいですが、ほとんど食べ物の屋台が多くイベント化してお祭りのようです。
真菰(まこも)で作った馬も売られていますが。やっぱり子供はみんなさわってみたい。

※写真は月島草市のHPより



清潔な不良が好きよ遠花火  (せいけつなふりょうがすきよとおはなび)

清潔ってちゃんとお風呂にはいってきれいな人という意味ではなく(もちろん見た目の清潔は当然のことで)、心根がきれいな人。今のちょい悪というのではなく。う〜ん、説明が難しい。でもいたんです中学のときに。他校の不良とは喧嘩三昧のようでしたし、トイレの後ろにちょっと生意気な生徒を呼び出してぽかりはやっていましたが、授業中、授業を妨げるようなことは一切なかった。私、密かにその不良に恋をしました。おっといけないいけないこの話は長くなります(笑)。
季題は花火。遠花火は字の通り、遠くの空に上がっている花火です。