峩々温泉(ががおんせん)


GWに泊まった峩々温泉。宮城県にある秘湯のお宿。かねてより訪れてみたかった温泉です。その昔は長期滞在型の自炊の湯治客をもてなした宿です。温泉は胃腸病に効くと言われ飲泉で効果を上げられる源泉を持っています。湯治宿の雰囲気を残しつつ、現在は湯治目的の客は少なくなりましたので当代が今風なもてなしで健闘しています。




峩々温泉の名の由来は、川を挟んで宿の真ん前に険しく崖がそびえ立っています。そのようすを峩々(正字は峨峨)と言うからとのこと。確かにどこからも文句のつけようのない名の由来ですね(笑)。









食事も終わり、談話室に移ってデザートのサービスを受けます。そこで私の心を捉えたのはこの肖像画
私の目を離せません。どなたの肖像画? 画家は誰?
デザートを運んで来た当代に尋ねました。このおばあさまは三代目。画家は菅野 廉 さん。当代は六代目ということなので三代前の女将。湯治宿ですから女将というよりおかあさんと呼ぶのがふさわしいですね。昔湯治宿であった頃は宿泊代が払えなくて宿代の代わりに、画家は絵を残していくことは度々あったことで珍しいことではなかったとか。この絵もそうだと聞いておりますと当代。菅野 廉 さんの展覧会に時々お貸ししていると。
この三代目のお顔のなんと凛としてお優しいことか。知性的で涼しげな目元、きりっと閉じた口元。きっと人徳のあったお方に違いない。すっかり三代目に魅せられました。
肖像画の写真を撮させてもらい、ブログに載せさせてもらって良いかと尋ねたところ、快諾をいただけました。


三代目を存じ上げない私ですが、その三代目の人となりを捉えたであろう画家とは? Wiki先生に尋ねてみると、


1889年(明治22年)7月12日 - 1988年(昭和63年)7月8日)は宮城県黒川郡大衡村生まれの洋画家である。東京美術学校を卒業し、戦前は二科で、戦後は河北美術展などで活躍した。「蔵王の画家」と呼ばれる。

98歳まで生きられたこととなります。戦中従軍画家として仕えましたが、戦後は中央での活躍は断ち故郷で生きることを決意し、蔵王の風景を中心に描きます。


その代表的な作品は「蔵王ろばの耳」。マチスのように蔵王を描いた作品とあります。

そして、「蔵王の画家菅野廉」(作者: 玉田尊英)という本があることも分かり、早速取り寄せました。生い立ちから生涯を閉じるまでの菅野を辿っています。作品の写真も載っています。「蔵王ろぼあの耳」はそこからスキャン。
うっ! なかなか文字も多い。どうも最近歳と共に文字を追うことが億劫になってきましたが、頑張って読破したいと思います。