北アルプスはざざ降り

昨晩は夜の8時に眠りましたのでどうしたって真夜中に目が覚めますわね。すごい雨の音がしています。これだけ夜中に降れば明日は小止みになるかと微かな期待を。

昨日は快晴の中河童橋から明神池で昼食休憩して徳沢まで来たわけです。今日は徳沢から横尾に行き、蝶ヶ岳に登り徳沢まで帰ってくる7〜8時間の行程予定でした。しかし雨は治まるどころかざざ降りのまま。これは我々の体力と技術と根性では蝶ヶ岳登山は無理と判断して、雨脚が多少ゆるんだ時に横尾〜屏風岩の見える辺りまで行ってみようかと宿を出ました。幸いにも横殴りの雨ではないので雨に洗われた木々の道は心地良いです。ゴアテックスの上下を着用。完全に雨はシャットアウトしてくれますが、暑いんですわこれが、蒸れて。



迷彩色のゴアテックスを着たオッサン。どんな趣味やねん。「他の人との差別化を図りたい方にはぴったり!」がうたい文句だったよう。そりゃそうよね、自衛隊員しか着ませんて。もうひとつセール価格だったのも決め手になったよう。しかし、選びます!? 奥さんの顔が見てみたい!!??







梓川に沿って歩を進めます。靄が美しい。












横尾大橋です。この橋を渡れば屏風岩〜涸沢カールへと向かう登山道になります。横尾山荘で休憩し雨の様子をみます。上高地の公衆トイレはチップ制となります。1回100円程度です。トイレの入口に箱がありましてそこに入れます。私もちゃりんと入れて入りました。夫の話では、そのトイレの前のベンチに座っていた韓国人女性3人が「えっ!なんであの人お金を入れるの?」と一斉に怪訝顔して立ち上がり、案内板を読んで「そうか、そいうことか」と納得したようです。夫は韓国語は分かりませんが、表情と行動で会話は想像できたと。
以前に比べ登山者も倍以上に増えているわけですし、処理にも莫大なお金がかかります。有料制にして処理・環境保全に役立たせてもらいましょう。そういう訳ですので喜んで前払いちゃりん。だいたいどこでも案内表記は日本語・英語・韓国語・中国語で書かれていますが、日本人は大体このシステムを理解できますので、韓国語や中国語を一番上にやや大きめで表記する方がいいのではと夫は言っております。

休憩している間に茨城県から来た青年ふたりと話をしました。上高地から横尾まで歩いてきてここから涸沢カールに向かうとのこと。お互い蒸れるゴアテックスを脱いで「あぁ、暑い暑い。しかしひどい雨ですよね。どうも止みそうにもないですね。もう今日は諦めました。こうなりゃ今日できるかぎり降ってもらって、明日にかけます!」潔いじゃありませんか、好感度抜群!
中高年の夫婦、予定時間を大幅に遅れたのが癪なのか、旦那さんは「お前が遅いから」と文句を言っている。奥さんは小さくなって旦那さんのリュックを直してあげている。ちょっとそこの旦那、遅れるのを奥さんの所為にするんじゃないよ。こんなざざ降りの中無事横尾まで来れたことを良しとせい。男子たるものつべこべ言うんじゃねぇと思わず口から出そうになった。 あぁ、嫌だ嫌だ、こういう了見の狭い男。蹴飛ばしたくなる!(えっ!やっていい??)



雨も止み少し明るくなったので屏風岩の見える所まで行けるかなと横尾大橋を渡ります。お猿さんがいますよ。子連れの親子も数組いましたが、小猿は恥ずかしがり屋なのか警戒心からか母猿の後ろやお腹に隠れてしまします。大人猿は人間に慣れていて近くに寄っても攻撃的なことはしませんし逃げもしません。多分人間も自分たちの仲間と思っているに違いない。そして感心するのは登山客はこれまで延々と野生の猿に食べ物を与えないことを守り続けてくださったことです。どこかの観光地のように餌を取りに人を襲うようなことはないのです。猿に罪はない、餌を与えてしまった人間が悪い。


少し進んでみましたが、またもやバケツをひっくり返したような大降りになってきました。やはりここは退散する方が得策。横尾山荘に戻ってお昼を食べて、人間観察の続き。割合私好きです(笑)。 しかしまぁ、西洋人はなんでこうも半袖短パンが好きなんでしょうね。ここ上高地は西洋人の登山者が多いです。槍ヶ岳方面から下山してきた男性、やっぱり半袖短パン。そりゃその上にカッパ着ているけど、厳しい登山によくぞ短パンで登れるなと感心もし、呆れもし。昨日は昨日で水温7度の梓川に入っている西洋人もいましたよ。皮下脂肪が厚いのかな。そういえば関取も冬場でも浴衣1枚でいるもんね(ここに持ってくること無いか)
西洋人はすれ違うとき、必ず目を合わせてニコっとしますね。それは嬉しい。私も努めて見習います。



そんなかんだでひとときを過ごし宿に帰ることにしました。井上靖さんの氷壁の宿「徳澤園」でお茶をして。










徳沢ロッヂの前はカラマツソウの群生地。今はもう終わっていますが、6月下旬頃が最盛期でこの花を見るために訪れる人も多いとのこと。草丈は1m位。一面に白い花が咲けばそりゃ見応えがあると思います。写真左下にアップのカラマツソウを貼り付けておきました。





夕食は隣り合わせた四国から来たおばちゃま4人組と会話が弾みました。近所どうしで年に2回ほど登山に出かけるのだそうです。四国から大阪に出てそれからバスで、長い道のりをようこそ! 明日は蝶ヶ岳に登るそうです。そんなおばちゃまたちにエールを!!