古唐津(Ko-Garatsu) −−−大いなるやきものの時代 出光美術館

出光美術館開館50周年記念での展覧会。私の中では唐津焼は上位にというほどの位置でもありませんが、じっくり拝見してみないことには食わず嫌いということもあると行って参りました。


そもそも唐津焼とは桃山時代から現代に至るまで佐賀県西部や長崎県北部など肥前各地の窯で生産されてきた陶器をいいます。草創期の桃山時代に、朝鮮より日本に渡った(連れてこられた?)陶工達により江戸時代初めまでに作られたものを『古唐津』と呼びます。
初めは食器や甕など日用雑器が主流でしたが、その素朴さと侘びが好まれ茶道具の茶碗、水指、懐石に使う皿・器など作られました。そして茶の湯での茶碗は「一楽二萩三唐津」と称されており、高い格付けに位置しています。
出光美術館は古唐津を300点をも所蔵しており、初代館長出光佐三のコレクションによります。

チラシに載っている壺は重要文化財『絵唐津文三耳壺』。高さは17c。馬鹿でかい壺ではありません。素朴なのびのびとした絵がいいですね。



『絵唐津松文大皿』
この松もいいでしょ。屈託なく枝が伸び躍動感を感じます。好きやわぁ〜。














『奥高麗茶碗 銘 秋夜』
奥高麗とは高麗の井戸茶碗を唐津の陶工達が燃して作ったものです。和物茶碗として極めて評価の高い茶碗です。








『絵唐津丸十文茶碗』
このゆったりとした丸み、掌にほっこり収まるようななんとも優しい茶碗ですね。いつまで見ていても飽きません。金継ぎも景色となって違和感がありません。粗太い筆で丸の中に十。この一椀が出光佐三と古唐津の出会いとなったとか。出光佐三は「丸十の茶碗」と呼んでとりわけ大事にされたようです。
丸に十って家紋でしょうか?


今回の展覧会で古唐津の渋めの色合いと伸びやかな絵に魅了されました。そしてそれは私にはまた新たなる出会いであり、再認識の機会となりました。嬉しいことです。