シアトルの旅より二句
タコマ富士堪ふる白さや終戦日 (たこまふじたふるしろさやしゅうせんび)
シアトルのMt.Rainier を日系の方々はタコマ富士と呼んでいました。頂上の真白き雪に敗戦を重ねて…そんな気持ちではなかったかと。季語:終戦日
海鳥の群れて遠浅白き靴 (うみどりのむれてとおあさしろきくつ)
キャノンビーチでのひととき。やはり靴は脱いで浜辺を歩きました。季語:白靴
包丁を噛みて南瓜や動かざる (ほうちょうをかみてかぼちゃやうごかざる)
丸ごと南瓜を買ってみたものの、我が家の菜切り包丁では歯が立ちません。包丁を抜くことも出来ず、こんこんと包丁を叩いてどうにか。我が家にはやはりカット切りがいいようです。季語:南瓜
長雨に西瓜のマティーニ鬱散らす
(ながあめにすいかのマティーニうつちらす)
東京は梅雨かと思うほどの雨が続きました。ホテルのバーでフルーツカクテルをば。憂鬱な気分に西瓜の朱が色を差し、気分爽快になりました。季語:西瓜
深々と無沙汰を侘びる墓参 (ふかぶかとぶさたをわびるはかまいり)
遠いことを理由に墓参りから遠ざかりばかりの日々です。年に1回でお許しください。季語:墓参