2017年9月の俳句

峡谷の滝に色なき風生ふる  (きょうこくのたきにいろなきかぜおふる)

滝が生み出す風の何と爽やかなことでしょう。季語:秋風、色なき風。秋の訪れを感じさせる風をいいます。

と、そんなに大げさでもなく日常にも

朝夕の葉擦れの音や秋の風  (あさゆうのはずれのおとやあきのかぜ)

ウオーキングをしていますと身近に秋の訪れを感じます。



流木の肌をえぐりて秋出水  (りゅうぼくのはだをえぐりてあきでみず)

豪雨のすさまじさ、氾濫する川を流される木々の木肌は岩にあたり傷つき痛ましい。季語:秋出水。秋の豪雨、台風をいいます。



人遠ざけて人恋ふる秋思かな  (ひととおざけてひとこふるしゅうしかな)

あぁ、人間づきあいも面倒くさい難しい…と思いながらもね。やはり距離を置きすぎると寂しくもあります。人間はややこやしい。季語:秋思。秋の寂しさに誘われる物思い。



炊きて香を握りて艶の今年米  (たきてかをにぎりてつやのことしまし)

この日曜日におにぎり句会がありました。新米の炊きたてをおにぎりにして食べ、そのあとで句会。美味しい句会です。しかしまぁなんと新米の美味しいことか! 千葉産の新米。特に銘柄があるわけではありませんが、参加した料理人の知り合いの農家からのお取り寄せ。我々が口にする新米って本当に100%新米なのかしらと思うほど、香り豊かで甘い。感激して大きなおにぎり2個完食です。作句に頭が回りませんでした(トホホ) 季語:新米・今年米