「江戸の琳派芸術」出光美術館


琳派」といえば真っ先に浮かぶのは尾形光琳琳派の始祖です。その光琳に傾倒した酒井抱一は江戸で「江戸琳派」を弟子の鈴木其一とともに完成させます。京都という王朝的な美意識を受け継ぎながら江戸の都市文化の美意識を加えていきます。つまりは粋になったのでしょうか(これは私の解釈です)。
琳派というとどうも派手・豪華絢爛が先に立ちますが、実際目の当たりにすると嫌みはないです。










「夏秋草図屏風」酒井抱一 
 
この作品は東京国立博物館が所蔵する重要文化財です。説明によると光琳風神雷神図屏風の「雷神図」の裏には驟雨にうたれて生気を戻した夏草と増水した川の流れを、「風神図」の裏には強風にあおられる秋草と舞い上がる蔦の紅葉を描いた両面屏風だったのです。しかし近年、画面の損傷から守るために表裏を分離してそれぞれの一双屏風に改められたとのことです。
光琳の代表作の裏に抱一の代表作が描かれていたとは、なんとも贅沢なことですね。


風神雷神図屏風」 酒井抱一




立葵図」 酒井抱一
この展覧会で一番印象に残った作品。夏の花として背も高く派手さのある花ですが、こうして絵になるとすっきりした佇まいに感じられました。立葵琳派を象徴する花とか。光琳も乾山も好んで立葵を取り上げました。彼らを慕う抱一、その弟子其一らにとって尾形兄弟の命月である6月を代表する花が立葵であり供花として特別な意味を持つこととなったとありました。












立葵図」 乾山 or 抱一 or 貴一
(すみません、誰の作品か分からなくなってしまいました)


















「蔬菜群虫図」 鈴木其一
胡瓜、茄子、へび苺、雀、とんぼ・虻・などの野菜と昆虫。優しく描かれています。其一の作品も良かったです。