第四十一回 鎌倉はなし会

10/9祝日(ってこうもなんでも月曜日に回されるとなんの祝日か思い起こせなくなってしましますね)、大船にあります鎌倉芸術館小ホール。600席もあるんですね。満席です。
柳家さん喬柳家権太楼・桃月庵白酒の三人会ともなると人気です。この日は私一人で行きましたが、1人となると大体が一番端っこの席です。それも申し込んだのが遅かった事もあるからでしょう後ろから4列目ぐらいの端っこ。舞台が遠〜い。でも落語会だから…まっいいか。
JR東海道線大船駅は初めて降りますが大きな駅ですね。構内も品川ごとく(それほど広くはないですが)ちょっとした食事・買い物ができます。ホールは駅から徒歩10分ほど。まぁちょっとあるかな。白酒さんも枕でぼやいていました「バスが無いんですよね。ごろごろ荷物を引いて来なくちゃならないんで、体育の日してきましたよ」 私は初めてで地の利が分からないのでタクシーに乗りましたが1メーターでした。体育の日は帰りだけ(笑)

噺の筋は今までに何回も紹介していますので、配られたプログラム(落語ではなんて言うのかな? きっと粋な名称があるにちがいないと思いますが…)にお三方が本日の演目について語っていらっしゃいます。こういうことは落語会ではあまり無いのでそれを引用させていただきます。

【噺の聴きどころ】

「妾馬」(めかうま)
妾馬やらせて頂く演目の中で、はとても楽しく演じられる話の一つです、山田洋次監督の「男はつらいよ」の寅さんの様な兄貴の八五郎が、上下の隔てなく人に接していくその姿が、若くして亡くなった私の兄に重なり、自然と兄を思い浮かべながら演じることがあります。
赤井御門之守、田中三太夫、長屋の大家、其々の人柄がこの噺を更に上質な作品にしているのではないでしょうか。
さる落語会で、この話を聞き終わった青年が、帰りがけに「妹に電話しよう!」と言って会場を出て行きましたよ、と係りの方に言われたことがありました。私はとても嬉しく、この噺の良さを改めて感じました。
 柳家さん喬


「猫の災難」
「猫の災難」は柳家代々のお家芸で「笠碁」「長屋の花見」「粗忽長屋」等の一つです。柳家の滑稽噺として観ていただければ幸いです。ストーリーはないです。だからこそ難しい噺です。物語として追っていけたら楽なのですが、個人の力量が勝負の噺なので、一つの間、一つの仕草が決め手です。
ちなみに、古今亭の落語家が演じると題が「犬の災難」に変わります。さる落語会で、この話を聞き終わったおじさんが、帰りがけに「一杯飲んで帰ろう」と言って会場を出て行きましたよ、と係りの方に言われたことがありました。私はとても嬉しく、この噺の良さを改めて感じました。(洒落です)
 柳家権太楼


厩火事」(うまやかじ)
二つ目の時に一度ネタ下ろしして以来、何年も手付かずだった噺なのですが、今年に入って「やってみよう」と思い立ったのは、入門して25年という節目であったからかもしれません。古典落語の中でも屈指の名作であり、多くの名人上手と呼ばれた師匠方が手掛けられた噺ですから、どこか腰が引けていたところがあったんですね。でも何時かはやらなくちゃいけない!そのきっかけが欲しかったんでしょう。とにかく、この噺にでてくる夫婦はまさに「割れ鍋に綴じ蓋」、そういう二人だということを頭から離さないようにおしゃべりしております。
 桃月庵白酒