2018年3月の俳句

数学を苦手なままに卒業す (すうがくをにがてなままにそつぎょうす)

「算数」まではよかったんですがねぇ〜(笑)。季語:卒業




釣釜の揺れて春風渡り初む

(つりがまのゆれてはるかぜわたりそむ)

裏千家では3月は釣釜を使用します。釜が揺れる様子に春風を感じるという風情なのだそうです。
季題:春風
※写真は淡交社のDVD




春の夜や葉を打つ雨の浅き夢  (はるのよやはをうつあめのあさきゆめ)

しとしとと降る雨はどことなく情緒がありますね。優しく葉に落ちる雨の音に夢から覚めるような。季語:春の雨



節太き手にのる芽独活香の深し  

(ふしふときてにのるめうどかのふかし)

爺様が摘んできてくれた芽独活の青々しさと若い香りはたまりませんね。天ぷらが美味しい。季語:芽独活



独り居の意は強し西行忌  (ひとりいのこころはつよしさいぎょうき)
捨てし荷を時に思ふて西行忌  (すてしにをときにおもうてさいぎょうき)

陰暦の2月15日は西行忌です。恵まれた環境を捨て出家した西行。諸国を巡る漂泊の旅に出て時には草庵に住み、独りでいることの寂しさもあったでしょうが、歌に心をうつし人生を全うした法師。
私など捨てたものを未練がましく思うことがありますが、凡人故か。西行さんはそんなことはきっとなかったでしょう。偲んで身を引き締めることにいたします。季語:西行