落語名人会 at 江東区文化センター


桂雀々さんはテレビでは見るのですが実際は見たことないのでかねがね機会があれば行きたいと思っていました。そうしたら6/10日曜日に柳家さん喬さん、桃月庵白酒さんと3人で出るというので行ってきました。
生憎の台風接近による雨ですが、昼間はまだまだ弱く出掛けるのを迷うほどの降り方ではないからか、すでに前売りでお金を払っているからか(笑)、満員御礼といっていいほどのお客様の入りでした。












前座は柳家緑助による古典落語「やかん」。自称物知りのご隠居さんと八五郎の物の名の由来をご隠居が答えて噺は進んでいきますが、やかんの命名の由来やいかに? 川中島の合戦まで時代は溯り、ある武士が兜の替わりに水わかしを被って兜の替わりにした。水わかしに敵の矢が当たって・・・・が由来だそうです。
私の前のおじさまの頭がふたりとも○○だったので、ついつい目がいってしまいました(すみません)



白酒師匠は「化け物使い」。人使いが荒くて使用人が3日と居着かない。「お暇をいただきたい」とみんな辞めていく。そんなご隠居にも、やっと我慢強い使用人杢助が来て3年も続きます。ところが隠居は引っ越すという。その家は化け物が出るとうわさの家でした。化け物が大の苦手の杢助は暇を貰って出て行く。噂通り夜になると化け物が日替わりで出てくる、化け物はちっとも恐くない隠居は化け物にも用を言いつけこき使います・・・・・


雀々さんご登場。まぁテレビで見るのと少しも変わりませんね。声も身振りも大きくて賑やかです。一瞬のうちに会場をさらいます。枕も面白く、自分が修行中の話になります。上方は東京のように「前座見習い」「前座」「二ツ目」「真打ち」という階級がなく、同期である正蔵こぶ平)を目安に彼が前座になれば僕も前座かな、二つ目になれば二つ目という具合に階級を自分ながらに定めていたそうです。で、こぶ平が真打ちになったときは「ちょっと早すぎるんとちゃう!?」と思ったそうです。会場は溢れるばかりの笑い。(しかしながら正蔵師匠はいじられキャラですね)。その勢いのまま「代書」へと。


雀々さん余韻で客席がざわついておりますが、静かにご登場はさん喬師匠。雀々さんの関西弁の大声に慣れてしまって、最初はさん喬さんの声が小さく感じましたが、そこはさすがの大御所、静かに客を引き寄せる。「動」から「静」へとお見事な場の転換・つなぎでした。
「笠碁」は3代目柳家小さんが大阪から持ち帰ったネタだそうです。雀々さんが枕で5代目小さん師匠の話をしてましたので、思うにさん喬さんは雀々さんの後を受けて、今日の演目を決めたのではないかと想像いたします。う〜ん、奥が深い。さん喬さんは品が良い、上方でいうなら米朝さんにも匹敵するのではとファンの私は思うのであります。