2019年3月の俳句

二ヶ所ほど割れて豆単卒業す  (にかしょほど われてまめたん そつぎょうす)

豆単、赤尾の豆単です。今や豆単は死語ですかね。今もあるようですが昔の様相ではないのかな。若い人で知っている人はいなくて、同じ年代の人が一人だけ取ってくれました。見事コケました(笑)、そんなもんですわね。季語:卒業


けふの日を決め一斉に鳥帰る  (きょうのひをきめ いっせいに とりかえる)

渡り鳥のなんと本能の優れていることか! 感心しますね。飛び立つ日をなんで決めるのかしら、なんで昨日ではなく明日でもなく今日なのか。これは神秘だっ! 私には神秘なままでいいのです。  季語:鳥帰る


雲の上に寝そべりをりし春夕焼  (くものうえに ねそべりをりし はるゆやけ)

夕焼けは秋でも冬でも大体が雲の上に広がっていますが、春はそれがなんとなく長閑に、待ちわびた春がいよいよと感じられました。季語:春


微睡をやわらに誘ふ春の雨  (まどろみを やわらにさそふ はるのあめ)

本当は「春霖」の季語を使いたかったのですがうまく詠めませんでした。春霖・春の雨は三月の長雨です。静かにしとしとと続きました。


スパゲティくるくる回す日永かな  (すぱげてぃ くるくるまわす ひながかな)

お嬢さんがのんびりスパゲティをお召し上がりでした。彼女のゆったり感がとても素敵に思えました。季語:日永 春になって昼間が長く感じられることです。