2020年2月の俳句

淡雪や戯れほどに帽の上  (あわゆきや たわむれほどに ぼうのうえ)

淡雪は牡丹雪ともいいます。ぽってりと大きいけれど積もることはなく溶けやすい雪です。悪戯されたかのようにちょっとだけ帽子の上に。
季語:春の雪、淡雪、牡丹雪。


寒締めに甘さほろほろほうれん草  (かんじめに あまさほろほろ ほうれんそう)

寒締めは収穫間近になった菜っ葉をわざと寒さに当てる栽培方法です。糖分を溜め込んで甘くなるとか。その代表はちぢみほうれん草。
季語:ほうれん草。


指切りし紙の真白や冴返る  (ゆびきりし かみのましろや さえかえる)

紙で指を切ると深くないのに痛いですよね。季語:冴返る 暖かくなりかけた頃に寒さが戻ってくること。心身の澄み渡るような感覚が呼び覚まされると歳時記にあります。


下萌や伸びする土の此処彼処  (したもえや のびするつちの ここかしこ)

長い冬からの目覚め。おまたせしました春ですよ。それにしても今年は早い。季語:下萌。早春地中から草の芽がもえでること。


雛祭母の癖など真似し合い  (ひなまつり ははのくせなど まねしあい)

3姉妹ともなるとかしましい。雛ちらし寿司を作りながら、笑いながらも、母を懐かしみます。季語:雛祭