2020年3月の俳句

句会は中止となっておりますが、主宰やお仲間の尽力でmail句会をやっていただいております。有り難いことです。

啓蟄や寝っ転がりて反抗期  (けいちつや ねっころがりて はんこうき)

新型コロナで休校になった生徒たち。ラジオの投稿で「中学生の息子が家でゴロゴロしています。活を入れてやってやってください」。それを聴いて浮かんできました。季語:啓蟄。 冬眠していた虫が暖かくなって穴から出てくることです。


浅蜊吐く流しの脇のひとり言  (あさりはく ながしのわきの ひとりごと)

浅蜊に砂を吐かせますが、勢いよく吐いたり、ちょっとだけだったり。大体において一人立つ台所でのひとり言は、、、愚痴かそれとも秘め事か。季語:浅蜊


ぺんぺん草売地の文字の見え隠れ  (ぺんぺんぐさ うりちのもじの みえかくれ)

ぺんぺん草や雑草が生い茂る空き地。冬に立てられた背の低い看板は春にはもう隠れています。季語:ぺんぺん草。


相寄りて囀小さく続きをり  (あいよりて さえずりちさく つづきをり)

求愛成功。隣に飛んでそれでも小さく愛をささやいているのかな。小さくを俳句では「ちさく」と短く詠んでも大丈夫です。文字数で「ちいさく」にしたり「ちさく」に詠んだり。これは選句する時に読み手は気遣いするところです。季語:囀。


ウイルスに逝く蒲公英の絮飛ぶ前に  (ういるすにいく たんぽぽのわた とぶまえに)

新型コロナでお亡くなりになられた方々には心よりお悔やみ申し上げます。七七五の破調をお許しください。季語:蒲公英。