2020年6月の俳句

新緑の屋根をもらひて野天風呂  (しんりょくの やねをもらひて のてんぶろ)

青々した葉をいっぱいに伸ばして野天風呂を翳してくれています。溢れ出る湯と新緑、お日様と贅沢なひととき。季語:新緑。


短髪の男子きりりと立夏かな  (たんぱつの だんしきりりと りっかかな)

夏は短く散髪した男性が清潔感で溢れていいですね。 季語:立夏


清潔な不良が好きよ夏燕  (せいけつな ふりょうがすきよ なつつばめ)

あまり四角四面な男性より、多少不良性のある人のほうが楽しいです。季語:夏燕。ただの「燕」は春の季語。4~7月に産卵します。「夏燕」は産卵後に成鳥ともども軽快に飛び回る燕をいいます。


f:id:nikkokisuge:20200625131236j:plain:left  雲流れ白きをたどれば山法師

(くもながれ しろきをたどれば やまぼうし)

この季節、山でも大きく育った山法師を見かけます。枝の先に白色花弁状の苞を4個つけます。可愛らしい。まるで白い雲が落ちてきたような。季語:山法師。


蝸牛人の背負ふは苦楽かな  (かたつむり ひとのせおふは くらくかな)

蝸牛は身の丈にあった殻を背負うのでしょう。人も身の丈にあった苦楽があるのでは。きっとそんなには不公平はないはずと信じたい!
季語:蝸牛