2020年9月の俳句

9月の俳句をあげるのをうっかり忘れていました。従って2ヶ月分を。

子蟷螂早も威嚇の鎌をあげ  (ことうろう はやもいかくの かまをあげ)

 マンションの廊下の植え込みに生まれて間もないかまきりを見ました。ちょっと触るともう鎌を上げ、一丁前でした。季語:蟷螂・かまきり。


落蝉の腹はからっぽ翅破れ  (おちぜみの はらはからっぽ はねやぶれ)

 理由はわかりませんが、蝉は仰向けになって死にますね。腹の中はなにもないようです。季語:秋の蝉・落蝉
 


外連味なく新入幕の勝相撲  (けれんみなく しんにゅうまくの かちずもう)

 9月場所の翔猿の活躍は素晴らしかったです。季語:相撲(角力)。


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トロ箱にしの字の尾先太刀の魚  (とろばこに しのじのおさき たちのうお)

 太刀魚、姿を見ると、、、ちょっとねという方も多いですが、味がさっぱりと美味しいですね。好きな魚です。トロ箱は魚を入れる箱。その箱に入れたれた太刀魚、長すぎて尾が「し」の字に曲げられて収まっていました。季語:太刀魚。


夕映への火群となりて葉鶏頭  (ゆうばへの ほむらとなりて はげいとう)

 映像でずらり並んだ葉鶏頭を見ました。夕日が葉鶏頭に続き燃えているようでなかなか見事でした。季語:葉鶏頭。



爽やかな墨の濃淡散らし書き  (さわやかな すみののうたん ちらしがき)
軸に書かれた美しい散らし書き。散らし書きとは「色紙・短冊などに、和歌や文句を行頭・行末や行間をそろえず、濃く薄く、太く細く、さまざまに散らして書くこと。」 季語:爽やか。