2020年12月の俳句

オンザロックころりと音の冴ゆる夜 (おんざろっく ころりとおとの さゆるよる)

器用なバーテンダーさんだとオンザロックの氷は丸く削って入れてくれますね。この氷が溶けて。季語:冴ゆ 冷え切った空気の中で感じる寒さ。


犬の行く主の好みに着ぶくれて (いぬのゆく ぬしのこのみに きぶくれて)

いろいろ動物に服を着させる飼い主さんが多いようで。季語:着ぶくれ


冬灯指に重たきマグカップ (ふゆともし ゆびにおもたき まぐかっぷ)

冬になりますと親指の関節が具合悪いです。小ぶりのマグカップにしなくちゃ。季語:冬灯 冬の灯


f:id:nikkokisuge:20201224145148j:plain:left 白菜やよからぬ虫がご息女に
(はくさいや よからぬむしが ごそくじょに)

台北故宮博物館で観た翠玉白菜。白菜の葉にコオロギが2匹います。コオロギは「多産と子孫繁栄の吉祥の意味」があり、目出度さを表していると一般的に言われていますが、その時のガイドさんは皇帝に「取り巻きに謀反を企む者がいます」という意味で贈ったという説もあると聞きました。兼題に白菜と出たときにこの翠玉白菜を思い出しました。
選句してくれたお仲間が、「あの宮様のお嬢様の婚約を詠まれたかと。。。」と評をしてくれました。恐れ多くも、、、そういうことにしちゃおうかな。季語:白菜


仕舞い湯につぶしてしまふ柚子湯かな  (しまいゆに つぶしてしまふ ゆずゆかな)

後に入る人はいません。湯が汚れても大丈夫と潰してて香りいっぱいにします。季語:柚子湯