2021年7月の俳句

f:id:nikkokisuge:20210722150227j:plain:left 怨念が美に変はりたる幽霊画

(おんねんが びにかわりたる ゆうれいが)

全正庵に所蔵されている三遊亭圓朝が所有していた幽霊画の一幅。鰭崎英朋作「蚊帳の前の幽霊」。これを観たときには怖いよりも美しさに惹かれました。牡丹燈籠の中のお話の一つ。恋い焦がれて死んだお露が新三郎恋しさに毎晩あらわれます。幽霊画というより美人画ですわね。
季語は幽霊ですが、季語として認められているようないないような。それで季語として詠んでもよし、言葉として他の季語を使ってもよし、ということなので
もうひとつ詠んでみました。

幽霊の足元に草夏芝居 (ゆうれいの あしもとにくさ 夏芝居)

季語:夏芝居。幽霊に足がないのはお約束です。足を隠すために舞台には草や石が小道具に使われています。肩肘張らない村の夏芝居によくある一コマ。





吸い殻のだらしなく浮く夕立あと (すいがらの だらしなくうく ゆだちあと)

ポイ捨てはやめてほしいものです。季語:夕立



汗のシャツ背ナに男の色気かな (あせのしゃつ せなにおとこの いろけかな)

汗で背中に張り付いた白いシャツ。案外色気感じます。汗シャツフェチなもんで(笑)


冷麦や湯に散りてのち水に散り (ひやむぎや ゆにちりてのち みずにちり)

週に1~2回は冷麦か素麺を食べます。季語:冷麦