野口哲哉展―野口哲哉の武者分類図鑑 練馬区立美術館


山田五郎さんのBS日テレ「ぶらぶら美術・博物館」で紹介された野口哲哉展に3/23日いって参りました。
樹脂やプラスチック・化繊など近代の素材を使って鎧武者を造り、その武者たちの背景を現実離れをした世界を構築する美術家です。
まずはともあれ作品をご覧ください。小さいサイズにすると細部が分かりにくいので大きくいたしますね。







ポジティブ・コンタクト 2011年
胸に「よろしく」と書いた甲冑を纏った武者がお迎え。
これすべて野口さんの手作りです。



















Talking Head 2010年
黒熊の兜のお侍。上目遣いで熊を見ています。熊に戦略の相談でもしているのでしょうか。















シャネル侍着甲座像 2009年
南蛮渡来のシャネルのマークを家紋とした甲冑を纏うのは「紗錬家(しゃねるけ)」。戦功が認められて主君から紗錬姓と紋を許された武士です。もちろん想定はでっちあげです。
2007年にシャネルで開催された美術展に出品されたものですって。











Rocket Man 2007年
鎧兜で空を飛んでいますよ。あまりの重さに顔をゆがめて。それでも耐える武者。ガンバレ、侍!!









誰モ喋ッテハイケナイ 2008年
ヘッドホンで音楽を聴き入る老武者。音の世界に入り込んだ表情がいいですね。胸の画を見てください。「不言猿」。猿が口に指を当ててお静かにと静粛を促しています。













Red Man 2008年
タイトル通り赤のソファに赤の兜を脱いで寛ぐ武者。激しい戦いの後の一休み。気持ちわかりますです。










野口哲哉さんはこんな優しいお顔をした青年です。1980年香川県高松市生まれ。広島市立大学芸術学部油絵科入学し同大学院修了。幼い頃からプラモデルがお好きでした。それと鎧兜や武者にも興味を持ち精密に念入りに研究し制作しています。武者のストーリーはユーモアに満ちた作り話ですが、装身具は実際の資料を参考に作っています。
野口さんの作る侍の滑稽な姿は、現代人の悲哀ともとれるメッセージかもしれませんね。
もしお近くに展覧会が開催される機会があれば、ぜひお出かけください。楽しい世界に誘ってくれます。
練馬区立美術館での開催は4/6迄です。

※写真はカタログ・HPより