2018年8月の俳句

掌に濡れたおつりとかき氷 (てのひらにぬれたおつりとかきごおり)

子供のころ、かき氷は近所の駄菓子屋さんで食べてました。朝顔形のガラスの器にシャキシャキ削られた氷にイチゴシロップをかけてもらって、渡されたかき氷。おばちゃんの手は氷で濡れています。お釣りも濡れていました。 季語:かき氷



ボール追ふ球児まぎれる草いきれ (ぼーるおふきゅうじまぎれてくさいきれ)

多摩川ではよく目にする光景です。熱中症に気を付けてと願うばかりです。季語:草いきれ



朝顔の気儘に伸びる四ツ目垣

(あさがおのきままにのびるよつめがき)

朝顔市などで売っているらせん状のものは「行燈仕立て」といいます。


漆黒にニンフ踊るや星月夜 (しっこくににんふおどるやほしづきよ)

釜石の夜、夜中に目が覚めて窓から見上げれば満天の星。何年ぶりかしら。まさしく宝石を散りばめたように輝く星の光。季語:星月夜
星のことを言い月のことではありません。


晩夏光受けて漁船の金波立つ (ばんかこううけてぎょせんのきんぱたつ)

日の出に向かってゆったり進む一艘の船。まだまだ残暑が厳しいですが、それでも三陸の海はなんとなく秋の気配を感じました。季語:晩夏光