2013年6月の俳句

鼻筋に白き一筆祭かな

この一筆だけで子供の顔も引き締まり祭らしくなりますね。季題は祭。



悩みごところりころがる枇杷の種

うっとうしいことは枇杷の種に托して消し去りましょう。季題は枇杷


縁側に干さるどくだみなる昭和

季題は十薬(じゅうやく)。どくだみの名で知られていますね。十薬の名の通り薬草として用いられ昔はよく干されていました。それも遠く昭和の風景となりました。




茶稽古や塩瀬の帯は花菖蒲

塩瀬の帯は一般に「塩瀬の染め帯」をさします。お太鼓と前面に季節の花などの絵が描いてあるものが多いです。特に関東では染め帯が好まれるようですが、ちなみに京都は織り帯が好まれるとのこと。お茶のお仲間に染め帯を季節毎に持っていらっしゃる方がいます。季題は花菖蒲。



江戸染めの白き波散る夏衣

季題は夏衣。そろそろ浴衣の季節ですね。東京では竺仙さんが有名でしょうか。藍色の地に白い波と千鳥の柄。王道中の王道。いつの時代でも愛される柄に思います。