2015年2月の俳句

二月礼者有りものと詫びもてなせり  (にがつれいじゃありものとわびもてなせり)

季題は二月礼者。新年に年賀に行けなかった人たちが二月一日に回礼に行く風習です。例えば役者さんや料亭の人々です。しかし現在は少なくなった風習かもしれません。迎える方ももうお正月料理など無く、それでも律儀に訪れる人をご接待。




火の神のくすぶる声や大焼野  (ひのかみのくすぶるこえやおおやけの)

季題は焼野。野焼きをしたあとの野をいいます。焼いた後、野は黒々と色を変えぶすぶすと音を立てています。火の神と大きい言葉を使いましたのでそれにふさわしく「大焼野」としました。



猫柳日を受け銀の日を返し  
(ねこやなぎひをうけぎんのひをかえし)
早春に葉に先立って花穂をつける猫柳。銀色に光って綺麗ですね。お日様の恵みを受けて銀色に輝いてその美しさでお礼をしているように感じました。季題は猫柳。






若布刈舟あらぶ波にもためらはず  (めかりぶねあらぶなみにもためらわず)

若布は2月〜3月に解禁になります。若布を採る船はだいたい小さく、大きな波に揺られて傾きそうになりながら採取しています。波が荒くても解禁となれば漁師さんは船をだします。季題は若布・若布刈舟。




       小かまくら地上に映る星のごと
     (こかまくらちじょうにうつるほしのごと)

秋田県横手市かまくらは有名です。一度かまくらに入ってみたいです。かまくらの中には水神様を祀って子供達が火鉢や七輪でお餅を焼いて「あがらんせ、食べらんせ」と言ってもてなしてくれるそうです。いいな・いいな。
横手川の川辺にはミニかまくらが並び、ろうそくが灯されるのですね。一度是非訪れてみたいです。行ったことがない・見たことがない兼題がでると写真や人の話やYou Tubeで画像を見て聞いて想像をふくらませ作句するのですが、やはり実際に見ることが大切ですね。草木はなるべく見に出かけるようにいたしますが、遠くになりますと難しくなりますが、吟行が大切です。  季題はかまくら