2016年8月の俳句

「盆」が兼題に出ましたので二句詠みました。

新盆やまだ耳にあり父母の声 (にいぼんやまだみみにありふぼのこえ)

飴玉の袋はがれぬ地蔵盆 (あめだまのふくろはがれぬじぞうぼん)


去年の晩秋での他界でしたので、まだまだ記憶が新しいです。
お地蔵様にお供えする飴ちゃん。あとでいただきますがこの暑さで、はがすのに苦労します。



カンナ咲く屈託の無き赤黄色 (かんなさくくったくなきあかきいろ)

まぁ、この暑さに赤・黄色と元気いっぱいにまっすぐ伸びて咲いています。赤や黄色は余計に暑さを増しますが、そんなことお構いなく。夏はそんな色の花が多いですが、特にカンナにそんな印象を持ちます。季題はカンナ。



姉様の小豆ふつふつ祝ひごと (あねさまのあずきふつふついわいごと)

遠〜い記憶ですが、歳の離れた姉の婚約祝いだったか、何だったか忘れましたが、母が朝からお赤飯を炊く準備をしていました。
季題は小豆。豆類は葉が黄ばんで秋に収穫期を迎えます。



秋めくや十七歳の読む春樹 (あきめくやじゅうななさいのよむはるき)

季題は秋めく。山や川などのたたずまいがどことなく秋らしくなることをいいますが、都会ではそれを感じることが難しいです。それで視点を変えて詠んでみました。
夏休みも終わりに近づき、一夏の恋に終わったかも知れぬ女子高生。ちょっと大人びてきます。村上春樹の小説を手に取るのです。