2017年6月の俳句

托鉢僧読経乱れぬ青嵐 (たくはつそうどきょうみだれぬあおあらし)

銀座の和光前の交差点での托鉢僧。風ばかりでなく、外国観光客の大声、車の音にも動じることなく読経を続けるお姿、凛としていらっしゃいました。季語:青嵐 青葉の頃に吹き渡るやや強い南風。



築地塀経てだんだんの夕薄暑 (つきじべいへてだんだんのゆうはくしょ)

谷中の観音寺の築地塀(瓦と粘土を交互に積み重ねて作った土塀)を過ぎると夕焼けだんだん坂に。ちょっといっぱいやっていきたかったのですが、おばさんとはいえ1人でしたので次の機会に。季語:薄暑 初夏の汗ばむ日をいいます。



白のまま済まぬ愛あり七変化 (しろのまますまぬあいありしちへんげ)

季語の紫陽花は色が変化していきますので七変化ともいいます。紫陽花と大きな季語はもう詠み尽くされていますので、花言葉を調べたりします。「無情」「浮気」「辛抱強い愛」とかありまして。最初は純白な恋で始まっても、そのうち駆け引きが始まりったりして、ねぇ〜。



吟行で恵比寿にありますヱビスビール記念館へ。ビールと聞いて行かいでかっ! なかなかお洒落な場所を選んでくれる幹事さん。ヱビスツアーで綺麗なお姉さんから歴史などの説明を聞いて、その後2種類のテイスティング。うまかばい! そのあと近くの日仏会館の会議室で句会。みんな赤い顔。楽しいな。そこでの2句

ビールの泡眺めて舐めて後は音 (びーるのあわながめてなめてあとはおと)

きれいなビールの注ぎ方を教わりました。泡をほぅと目で愛で、舐めて舌が愛で、そしてゴクンと耳で愛で。単なるビール好きの句になっちゃいました、ごめんあそばせ。季語:ビール



縁側に縮の父や栓を抜く (えんがわにちぢみのちちやせんをぬく)

湯上がりの一杯はこたえられませんね。スポンと良い音させて至福の時ですね。季語:縮 ビールも季語ですので、縮と季重なりになります。栓を抜くでビールを想像していただけるかな。