秋です!舞台鑑賞です!

10日金曜日は招待状を頂いて(タダ)新橋演舞場に「秀山祭九月大歌舞伎」を観に行きました。「秀山祭」は初代中村吉右衛門の志を継承する公演です。夜の部でしたので演目は長唄の「猩々」(これは時間の関係で観られませんでした)、「俊寛」、舞で「鐘ケ岬」・「うかれ坊主」、「引窓」。吉衛門さんの「俊寛」ははまり役だと思いました。流刑の島、都から放免船が来て、仲間はその船に乗って都に発つのですが、独り残された俊寛が船を見送る寂しさ、孤独感、哀しみが表現された最後のシーンは涙を誘います。吉衛門さん、さすが上手いと唸らされます。

続いて11日土曜日の夜は、NODA MAP番外公演の野田秀樹さん、中村勘三郎さんの「表に出ろいっ!」(こちらはタダではなく自前)。勘三郎さんだからといって歌舞伎ではありません。現代劇。勘三郎さんが能の家元、野田秀樹さんが奥さん役。娘は11日は黒木華さん(Wキャストでもうひとりは大田緑ロランスさん)。アミューズパーク大好きの夫とアイドル追っかけの妻、ファーストフード&新興宗教にはまっている娘、その夜、それぞれの趣味のイベントに行きたくて産気づいている犬の面倒をお互いに押しつけ出かけたい3人。夫婦役の二人がハイテンションで体を張った演技に脱帽です。こんなに笑ったのは何年ぶりかしらと思うほど笑わせてもらいました。娘役の黒木華さんもどこにでもいる現代っ子をリアルに演じていました。
お互いがお互いの趣向を理解せず自分の趣向のみ主張する。そんなバラバラの家族でも鎖で繋がられているしがらみのようなものを感じましたし、もはや鎖にでも繋がれていないとバラバラになるという暗示でもあるのかしらん。爆笑の渦の中、そんな家族の絆というテーマが隠されているように思いました。