志の輔らくご in ACT

25日土曜日に立川志の輔さんの落語をアカサカサカスのACTシアターに聴きにいきました。今年1月にパルコ劇場での公演をwowowでやっていたものを録画しておき観たのですが、そのあまりの巧さに脱帽。機会があれば聴きに行ってみたいと思ってた所、今回のこの機会。独演会というとふつう弟子の二人ほどが1席づつ演じてご本人が登場となり1席披露。一体誰の独演会ということになりますが、このライブは志の輔さんひとりで3席演じます。


演目は写真のように「バールのようなもの」「高瀬舟」「徂徠豆腐」の3席です。
バールのようなもの」は大工道具のバールの話で、○○のようなもの=ずばりそのもののことで何やかやで夫婦げんかをして奥さんにバールで殴られる咄。
読み切り「高瀬舟」は森鴎外の小説です。志の輔さんの創作の試みです。30分間お客さんを笑わせないで会場をしーんとさせたかったとおっしゃってましたが、意図通り我々1300人の観客は固唾をのんで聞き入りました。涙さえ出てきそうな雰囲気でした。
最後の「徂徠豆腐」は貧乏だった学者が豆腐屋七兵衛に助けられ立派な学者(荻生徂徠)になり、江戸の大火事でお店が丸焼けになった七兵衛に、ご恩返しお店を建ててあげるという咄です。荻生徂徠柳沢吉保や八代将軍徳川吉宗への政治的助言者でもあったということで、赤穂浪士の措置について、打ち首にすれば赤穂浪士びいきに傾いている民衆を納得させられないし、生かせておいては幕府の面目丸つぶれとなってしまう、、、はてさてどうしたものかと思案しているときに荻生徂徠赤穂浪士自らによる切腹とことはどうかと助言したということです。
落語の公演は随分久しぶりです。大阪にいたときお正月に米朝さんの独演会に2年ほどいったことがありますが、もう10年以上も前のことです。久しぶりにたっぷり生で聴くのもいいですね。