映画「スープ・オペラ」

阿川佐和子さんの小説を原作にした映画です。実は数年前に小説を買って読み始めたのですが途中でかったるくなって止めてしまいました。ところが姉が映画を観てきて良かったというものだから興味が湧いて観てきました。良かったですね。小説より映画になって良かったと思いました。
叔母のトバちゃんと二人で暮らす30代半ばの独身女性ルイが主人公。坂井真紀が演じます。トバちゃんが結婚して家を出て行きます。
突然一人になって寂しく暮らすルイのもとに、ひょんなことから初老の画家トニーといつも笑顔の年下の青年コースケが現れ、一緒に暮らすことになります。家族のようで家族ではない奇妙な同居生活、それでも3人には心地よい暮らしです。トバちゃん直伝の鶏ガラスープがみんなの心を癒やします。しかしそんな居心地のよい生活も諸々の事情により続けることは難しくなります。その理由が理不尽ではなくちゃんとした理由なのでルイも私たちも納得。ラストシーンはルイの夢の中、廃墟となった遊園地がよみがえりルイの周りの人々が集まってきます。みんなで踊り輪になり、動き出したメリーゴーランドに乗ります。夢から覚めたルイには切なさの涙が流れますが、その涙も明日への活力になっていくように思えました。
ルイの坂井真紀も自然体で良かったですが、アロハシャツの似合う画家の藤竜也がよかったですよ、軽やかに演じてました。
小説も読んでみようと思っています。