2010年10月の俳句

薄紅葉一駅ごとに色を増し

「薄紅葉」が季題です。紅葉しはじめの薄く色づいた紅葉に風情を見いだすのは日本人ならではですね。山の上に登っていく高原電車。上に行くほど気温も下がり紅葉の色も増していく景です。


吊し柿夕日を受けてなほ赤く
干し柿が名産の村では軒にずらりと吊し柿が並んでいます。茜色に染まる夕日をうけて赤い柿がさらに赤くなっている様子です。季題は「吊し柿」です。


胸疼き川面にゆがむ十三夜

陰暦9月13日の夜の月。8月の十五夜に対して後の月といいます。ちょっと辛いことがあって眺めた月ですが、川に浮かんだ月は波に揺れ涙に揺れてゆがんで見えます。季題は「十三夜」です。