2010年12月の俳句

雑炊の湯気の向こうに子らの顔

季題は「雑炊」です。鍋の締めはお約束の雑炊。子供達はこの雑炊が楽しみでした。お腹いっぱいに食べましたね。家族の団らんの一こまが思い出されました。今は夫婦ふたりの雑炊でして、湯気といえばメガネが曇るばかりです(笑)。


水鳥の低く飛びをり波の立つ

家から30分歩くと洗足池があります。ときどき散歩に出かけます。鯉や鴨がいっぱいいます。鳥たちが一斉に飛び立って小波が太陽の光を受けてきらきらと綺麗でした。季題は「水鳥」。冬を越す鳥を総称して云います。


観覧車眠れる山に動きをり

東名を走っていると御殿場で遠くに山と観覧車が見えました。
季題「山眠る(眠れる山)」。精彩を失った冬の山が眠っているように静かに見えることです。静かな山にゆったり動く観覧車が印象的でした。


毎年の鮟鱇鍋や女将老い

「鮟鱇」が季題です。鮟鱇の美味しい季節になると茨城県の大洗に鮟鱇鍋を食べに行きます。もう何年にもなりますが、自分の老いはさておき、鍋奉行をしてくれる女将さんが年を重ねたと1年の経過を感じつつ。