映画「武士の家計簿」

なかなかいい映画でした。監督は森田芳光。さすが安定した演出で筋にも無理がありません。(後半の後半、主人公の父・祖母・母と亡くなっていくところは少し忙しかった気はしますが)。武士とはいえ刀で生きる武士ではなくそろばんで生きる御算用者という役目の武士もいる。お家のお役を守る、それで生きていくために子供を幼い頃から特訓をします。とても厳しい躾です。日本はその昔から教育に熱心だったんだと思います。それと現代はやり子供に対して甘いんだと思いますね。厳しくしつけても子供はそれについていける力を備えているのかなと思いました。もちろんそこには愛があっての教育・躾です。
借金返済のため節約の日々ですがケチではありません。妻に櫛を買ってやる場面で妻は遠慮して安い方を選びますが、夫は上等な方を買ってやります。
主人公の堺雅人、演じているというよりも主人公そのものに見えてくるのは、やはり上手いんでしょうね。仲間由紀恵大河ドラマ巧妙が辻」以来、良妻賢母の役がよく似合いますね。脇役も中村雅俊松坂慶子草笛光子、西村雅彦と豪華勢揃い。母親の松坂慶子が亡くなるシーンははちょっとウルウルです。私、松坂慶子大好きなんですよ。声がとても綺麗だと思います。ちょっと天然ボケの母親役なんてぴったりですね。
貧しくても仲良い家族、家族の結束力、家族の絆を感じました。心温まる映画です。