2012年5月の俳句

老いぬるや夏書(げがき)の文字も乱れをり

季題の夏書は夏安吾に僧ばかりではなく俗家でも経分を書き写したりすることをいいます。供養のために行うのだそうです。難しい言葉ですね。兼題に出て初めて知りました。例え文字が乱れていても心をこめて写経する。それが大切ですね。


柵囲む真赤の孤独 罌粟の花(けしのはな)

季題は罌粟の花。アヘンで日本での栽培は制限されておりますね。国や地方自治体の研究機関・薬科大学・大学薬学部の薬草園に限られ、金網で囲われ門は施錠されて当然のことながら厳しい管理で栽培されています。鮮やかな赤で存在を主張し「きれいでしょ。見て見て頂戴!」と云っているようです。季題は罌粟の花。


噴水やラブストーリー五分前

今日はあの人との初めてのデート。待ち合わせは噴水のある公園。約束の時間の5分前。さあ、私たちのドラマが始まりますよ!季題は噴水。


青蜥蜴(あおとかげ)シュルシュルシュルとダリの髭

進んで止まったときにシッポがくるり。ダリの髭になりましたよ。季題は蜥蜴。


初鰹料る漁師の腕太し

一本釣りをする漁師さん、釣った初鰹を料理する日に焼けた太い腕。たくましいなぁ〜。ダイナミックに捌いて醤油をさらっと付けて食べる。うまそうだな〜。