私のふるさとは名古屋。名古屋で暮らした年月より名古屋を出てからの年月の方がはるかに超えました。身内の中で外に出たのは私だけで兄姉は従兄弟は名古屋並びに近辺に住んでいます。子供が幼い頃はよく名古屋に帰りましたが大きくなるとともに回数も減り、両親が亡くなった後は法事で行くくらいですっかり疎遠になりました。
あれは4年くらい前のことでしょうか、法事で帰郷し夜はホテルを取って泊まりました。夜ひとりで夕食を済ませるために栄に出てみました。帰っても老いた父母のもとで過ごすことが多かったので名古屋の街中は随分ご無沙汰しております。すっかり様変わりした街に戸惑い、自分は全くのさまよう旅行者。そんな風に思う自分も寂しく、そんな風に思わせる故郷も冷たく感じました。
ここは私の故郷じゃないんだ。なんだか受け入れられていないように思う。
栄の辺りをぐるぐる歩いて早々に食事を済ませホテルに帰りました。ちょっと辛い夜でした。
