2014年2月の俳句

かんらから春一番の音行きし

季題は春一番。春の到来を告げて吹く強い風です。



古りし宿君子蘭のみ目立ちをり

季題は君子蘭。名の通り立派な花ですね。



浪散ると歌ふ武士(もののふ)実朝忌

源実朝です。鶴岡八幡宮で甥の公暁に暗殺され27歳で生涯を閉じました。歌人として名を馳せ金槐和歌集を出しています。今回「実朝忌」が兼題にでて調べているうちに
 おほ海の磯もとどろによする浪われてくだけてさけてちるかも
という実朝の和歌に出会いました。歌人としての一生であればと惜しまれますね。



茱萸(さんしゅゆ)や小さき黄の玉時を待つ

季題は山茱萸の花。早春 葉が出る前に黄色く細やかな花をつけます。新宿御苑で見られるというので、電話で咲いていますかと問い合わせたらまだ大丈夫という答え。早速出かけてみたら園丁さんは未だ咲いていませんよ。なんのこっちゃがっくり。蕾は固かったけれど先はしっかり黄色でした。




猫の恋声変わりせし息子かな

季題 猫の恋は猫のさかりをいいます。あの声は勘弁して欲しいものです。もちろん男子の変声期はそんなに酷くありませんから、一緒にしては気の毒ですが、ああうちの息子もこれから色気づいていくなと面倒くさくと思う母でした(笑)