大海の魚小海を知らず 小海の魚大海を知らず


実家の床の間にこんな文言の書かれた小ぶりな掛け軸がありました。世の見聞を広めなさいということでしょうね。いわゆる「井の中の蛙大海を知らず」の教えと同じ意味でしょうか。
若い頃に目にしましたので、なるほど見聞を広めなくちゃ、大きな人間になれないと心に響きました。
しかしながら、大海に出た魚は居心地の悪さを感じてそこに波を立てようとする、しかし大海の掟は強くはじき返される。小海に出た魚は大海の素晴らしさばかりを言うものだから敬遠される。どっちにしても自分の居心地の良いようにしようとするから駄目なのか。


人とのお付き合いに焦点を絞って感ずることですが、これまでの人生でいろんな人と出会いお付き合いを重ねて、お相手を傷つけたり傷つけられたりしながら到達したことは、大海も小海も知ることは大切です。その上で自分の住みやすい海を見つける・作ればいいんだわ。背伸びせず、また卑下することもなく、見下すこともなく、分にあった暮らしと仲間でいいんだわ。それがやはり一番居心地がよろしい。

ジャングル・ブックモーグリー少年もジャングルしか知らなかったけれど、人間の世界をかいま見、やはり自分が暮らすところはジャングルと決めたじゃないですか。ジャングルの中に人間の知恵をうまく活かしていこうと思ったじゃないですか。
モーグリー少年に教えられ、遅まきながらそう納得する今日この頃です。う〜ん、ちょっと遅かったわね(汗)