映画 ドライブ・マイ・カー

 映画館で映画を見るなんてもう2年近くなるのではないかしら。コロナ禍の前、最後に観た映画は何だったかも思い出せない。我慢していた反動でどうしても映画館で映画を観たくなりました。

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『ドライブ・マイ・カー』。村上春樹の原作(短編)も前もって読んでみました。村上春樹が短編を書いていることも知らなかった。登場人物の心理的な面をうまく表現しているなという印象でした。これから彼の短編を読んでみようと思います。長編はその気力体力持続性もなく大体真ん中あたりをぶっ飛ばす癖がついてしまったのです(汗)。
 映画が始まってセックスシーンからスタートします。案外そのシーンが多いので「えっ!?そういう作品だったか?」。本ではそんなになかったはず。でもセックスシーンは初めのうちだけです。
進むうちに基幹のところは変わらないけど、随分内容が盛られている。盛りすぎと思うほど。それがちょっと退屈になる、飽きてくる。気を取り直して映画に集中。あの短編から濱口竜介(監督・脚本)がよくふくらますなぁ~とこれはもう濱口ワールドです。なまじっか原作を読んだばっかりにその膨らみが気になりましたが、この作品に限っては小説・映画は別物と捉えるほうがいいですね(大体違うですわね)。原作と比較するのは野暮ってものかもしれない。それぞれを楽しむべきかもですね。セックスシーンも進行の上では大きな意味を持っております。
1日経ってみてこの映画の良さが分かってきました。
で、公式ページを読んでみました。そのイントロダクションを紹介します。

これまで、圧倒的な脚本力と豊かな映画表現で、人間がもつ多面性や複雑な感情をあぶりだしてきた濱口監督。本作では原作の精神を受け継ぎながらも、「ワーニャ伯父さん」、「ゴドーを待ちながら」という時代を超えて愛されてきた演劇要素を大胆に取り入れ、ストーリーと映画内演劇が重層的に呼応しあう驚異的な物語を紡ぎだした。さらに広島・東京・北海道・韓国などのスケール感あるロケーションと、名手・四宮秀俊撮影による美しさと厳しさが溶け合う映像美は観る者を魅了し、物語へと引き込んでいく。