2022年4月の俳句

4月半ばに浦賀に吟行に行きました。元住友重機械工業にお勤めでした俳句のお仲間ふうさんに案内いただき浦賀巡りです。当日は吟行のみで句会は後日に場所を変えて。

お骨折り頂いたふうさんへの挨拶句。
浦賀ドッグふうさん語り春惜しむ (うらがどっぐ ふうさんかたり はるおしむ)
季語:春惜しむ。

現在は閉鎖され浦賀市に寄付されましたが、華やかな時代を知るふうさんは心なしか寂しげでもありました。この日は平日で浦賀レンガドッグは見学できませんでした。そこはふうさんも残念がられていました。


浦賀より房総半島陽炎へり (うらがより ぼうそうはんとう かげろへり)

海を隔ててですが浦賀と千葉の房総半島は近いのですね! かげろっていましたがすぐそこという感じでした。季語:陽炎。


 鏝絵てふ
  浦賀の栄華
   春の更く
(こてえてふ うらがのえいが はるのふく)
西浦賀の西叶神社社務所玄関には「司馬温公」の鏝絵がありました。鏝絵とは左官職人が鏝と漆喰で作ります。浦賀は干鰯問屋や回船問屋が多く、土蔵造りが盛んだったようです。裕福な暮らしをしていたことが伺われます。季語:春更く。


渡し船で東浦賀にいきます。その渡し船
春霞ものの三分渡船 (はるがすみ もののさんぷん わたしぶね) 

あっという間に対岸に着きます。それで400円。ちょっと高いわぁ~。


東叶神社があります。そこには勝海舟が咸臨丸で太平洋を渡り無事にアメリカに着けることを願って水垢離をしたと伝えられる井戸がありました。身を清めて後山上で断食をしたそうです。
水垢離の井戸に影落つ若緑 (みずごりの いどにかげおつ わかみどり)
季語:若緑。


最後に浦賀に住むお仲間のお家で手作りのシフォンケーキをご馳走になりました。黒船シフォンケーキとのこと。美味しかったです。感謝を込めて挨拶句。その黒色は何の色だったか、、、忘れました(汗)。
春深しシフォンケーキの黒深し (はるふかし しふぉんけーきの くろふかし)
季語:春深し。