映画 「トイレット」

昨日観てきました荻上直子監督の「トイレット」。


公式サイト http://www.cinemacafe.net/official/toilet-movie/

結論から云うと期待通りのいい映画でしたよ。「かもめ食堂「めがね」などのように荻上直子監督の独特の作風がみられます。引きこもりのピアニスト長男モーリー、ロボットプラモおたくの次男レイ、ちょっと気の強い大学生の妹リサの3人の孫と英語がまったく通じない祖母の「ばーちゃん」との家族のお話です。母親が死んで心がバラバラに離れた3兄妹がばーちゃんを介して、またばーちゃんとは言葉の垣根を越えて絆が深まっていきます。家族の絆がテーマとなると、ちょっと押しつけがましかったり倫理的になったりしがちですが、実にさわやか。大上段に構えるのではなく日々の小さな出来事に絆は重ねられていくのかなと感じさせてくれました。
ちょっと面白かったシーンは、どこの国でも子や孫が神妙な顔して前に座ると大体がお金の話だと察することです(笑)。ばーちゃんも言葉は全然通じないけどお金が欲しい相談なんだなと理解して気前よく出してやるんです。孫がいい加減な気持ちで言っているのではないと分かるばーちゃんはえらい。
毎朝長いトイレで出てきた後、深いため息をつくばーちゃん。そのため息の謎をレイが解明に務めます。どうやらそれはジャパニーズテクノロジーの凄さのようです。
ばーちゃん役のもたいまさこは正にはまり役。うまいですね、この女優さんは。英語が話せない役ですから台詞がありません。終盤に「モーリー、クール!」の一言だけです。顔や体の演技で表現します。不思議な存在感。
この映画のキャッチコピー「みんな、ホントウの自分でおやんなさい」。映画を観るとこのコピーがよく理解できます。