2014年3月の俳句

怪獣に なって保育士 春一ト日

ウォーキングをしていると公園から園児達のきゃっきゃっという声が聞こえました。男の保育士さんならではの遊び。子供たちの弾ける笑顔にしばし見取れていました。季題は春。



まだ効かぬと 云ひて治聾酒 手酌かな

季題は治聾酒(じろうしゅ)。難しい言葉ですね。兼題に出て初めて知りました。なんでも立春から五日目の戌の日に酒を飲むと耳が良くなるという風習があったとか。もう死語に近いと思うのですが。
上五が字余りになりますが時にはこうした方がいいと先生の教えです。



若鮎の 匂ひとなりし 峡の川

3月頃川をのぼってくる小鮎。鮎釣りの専門家によりますと昔は川底が小鮎でいっぱいになったそうです。今は勿論この時期は禁漁です。季題は若鮎。鮎はそもそもが上品な魚ですが、若鮎となるとさらに華奢できらきらする感じがありますね。



捨てられぬ 文は持ち越し 大掃除

季題は大掃除。昔は春にそれぞれの自治体が清掃日を決めて町内中一斉に行ってました。なので3月の季題となっています。現在ですと大掃除と言えば年末ですが。
いつまでも大事にしたい青春もあるんでございますのよ。





野のみどり はて早蕨(さわらび)の 出でしかな

どんなに長い冬が続いても春はやってきます。春告げる山菜のお出まし。季題は蕨。