2014年10月の俳句

この一週間は塩竈です。朝晩は冷えますが、日中は暖かです。裏隣のおうちのもみじが紅く色づいてきて窓から楽しませて頂いています。
この10月は月二回の俳句の教室には出席出来ず、先生からのご指導を受けておりませんのでしっかりした俳句ではなく披露するのも奥がましいですが忘備録ということにてごめんなさい。


嘶きの空に響いて馬肥ゆる (いななきのそらにひびいてうまこゆる)

季題は馬肥ゆる。いわゆる高天肥馬(こうてんばひ)。昔、中国では北方の騎馬民族匈奴(くぬ)が収穫の秋になると大挙して略奪にやってきたので、前漢の趙充国(ちょうじゅうこく)はそれを見抜き、「馬が肥ゆる秋には必ず事変が起きる、今年もその季節がやってきた」と警戒の言葉として使ったそうです。匈奴が滅びた後は現在の意味「天高く馬肥ゆる秋」で使われるようになったのです。
餌も十分に与えられた馬の声は大きく張りがあって天まで届くようなおおらかさを詠みました。




新米や高盛りにせしお仏供さん  (しんまいやたかもりにせしおぶくさん)

季題は新米。子供の頃仏壇にお仏供さんをお供えするお手伝いをしていた頃を思い出しての句です。
余談ながら今年のやんちゃくれ農業さんから届いた新米はとても美味しかったです。炊いている時からして香りが違いました。




   


     古酒や香りふくよか色も照り 
    (ふるざけやかおりふくよかいろもてり)




季題は古酒(こしゅ・ふるざけ)。新酒の季節になりますが、まだ残っている去年のお酒をいいます。しかし古酒も何年ものなどと重宝されますね。私が好きな古酒は写真の宮城県 山和酒造の「古酒三年」です。古酒となれば少し黄色く色がつき、寝かせた分だけ深みが増し、美味しゅうございますよ。




爪を噛む女の心うそ寒し  (つめをかむおんなのこころうそさむし)

季題はうそ寒し。うそは薄(うす)の訛ったもの。うすら寒くなんとなく心が落ち着かないことを意味します。



七輪に松茸ならぶ昔あり  (しちりんにまつたけならぶむかしあり)

幼いころ父の商売仲間とその家族の大勢で毎年のように松茸狩りにいきました。その頃は特に高価なものではなく、わんさか採れた時代でしたね。どこに行っちまったか松茸は。季題は松茸。