2015年1月の俳句

俳句の前に、お茶の初稽古のお話を。今年は先生や社中の都合もあり、初稽古が21日と遅めでございました。でも気持ちも新たに、この日ばかりは皆さん正装(訪問着・付下げ)で伺います。

お床には「訶梨勒(かりろく)」が飾ってあります。訶梨勒とは梵語でインド地方の喬木(高木)の名。果実は薬用されていました。水毒を解くということから乾香や模製が茶席の柱飾りや床飾りとしてこのように袋に入れて飾ります。お茶は水が命、邪気払いの意味も含めて、お正月に飾られます。ちゃんとこうして弟子に伝えてくださる先生に感謝です。


訶梨勒の乾燥させた実の写真がありましたので載せておきます。昔はこれを袋にいれていたのですね。現在は木の模型です。










さて、枕が長くなりましたが俳句を。

初日の出雲に火の道走りけり  
(はつひのでくもにひのみちはしりけり)

大洗海岸の日の出。雲が多くて海からのご来光はのぞめませんでしたが、日があがると雲の縁を本当に走るように真っ赤に彩っていきました。それはそれは綺麗でした。季題は初日の出。






重ね引く良き年であれ寒の紅  (かさねひくよきとしであれかんのべに)

季題は寒紅。紅花を原料とする紅は寒中に作られるものが一番良いと珍重されました。現在は洋紅がほとんどですので、単に寒中に用いる口紅を寒紅と呼んでいます。どうぞ良いことがありますようにと願いを込めて重ね引くのです。




学僧のこれも修行や追儺鬼  (がくそうのこれもしゅぎょうやついなおに)

季題は追儺(ついな)。早く言ってしまえば節分のことです。昔は大晦日に宮中の儀式として行われていましたが、いまや各地の神社やお寺で行われるようになりましたね。
長い長い廊下のぞうきんがけも修行ですが、鬼の役をやるのも学僧の勤め。



声援も古傷痛む元ラガー  (せいえんもふるきずいたむもとらがー)

最近は長男夫婦の影響を受けてラグビー観戦にいっています。秩父宮ラグビー場は近くて行きやすいです。
25日もトップリーグの準決勝戦東芝を応援に行くつもりです。内の次男も含めてですが応援に来る人も昔ラガーであったと思われる体格のいいかたが多いです。季題はラグビー




兄臥せて一人遊びや竜の玉  
(あにふせてひとりあそびやりゅうのたま)

季題は竜の玉。竜のひげの実のことです。長い葉に覆われているのでかき分けないと見つけられません。瑠璃色をした綺麗な実ですね。これがまたぽんぽん弾むのです。おもちゃになります。弾みを競って遊ぶのですがお兄ちゃんは風邪。お兄ちゃん早く良くなってね。