2020年7月の俳句

梅雨豪雨川を茶色にうねりゆく (つゆごうう かわをちゃいろに うねりゆく)

なんともこの停滞しつづける梅雨前線には憤りすら覚えます。被害の多い地方にはどうお言葉をかけていいものか。
季語:梅雨


おばちゃんのラムネ玉抜く腕太し (おばちゃんの らむねたまぬく うでふとし)
舌先で遊ぶラムネの玉ぬるし (したさきで あそぶらむねの たまぬるし)

駄菓子屋のおばちゃんのスポン!と栓を抜く気持ちよさ。英雄に思えましたよ(笑)。下町育ちでして夏はラムネかかき氷を日替わりで飲んだり食べたりしていました。ラムネは飲んだあと舌先を丸くしてラムネ玉をコロコロと。冷えていた瓶も玉もぬるくなってきます。 季語:ラムネ


七夕の書かぬ願ひもありにけり (たなばたの かけぬねがいも ありにけり)

大人になれば秘め事の一つや二つ。季語:七夕


マスクしてあおぐ扇子や縹色 (ますくして あおぐせんすや はなだいろ)

マスクは冬の季語。扇子は夏の季語。季重なりになりますが「扇子や」と切れ字の「や」を付けて夏の季語「扇子」を強調。時にはこんな冒険も。マスクしながら扇子や団扇で仰ぐ風景はこのコロナ禍でよく見かけますので。