「笑う浮世絵」 太田記念美術館


何となく欧米の「ユーモア」が上等なような気がしていた私ですが、この展覧会でその考えが覆りました。日本人はそもそも「笑い」好き。真面目で堅いばかりの民族ではありませんね。案内説明でも書いてありましたが、落語や狂言、しいては漫才、コント、マンガと笑う文化に歴史有り。お笑い文化は今や生活の中に大きな位置を占めています。お笑い文化は江戸時代に花開いたと浮世絵に描かれた「笑い」を紹介する展覧会です。
江戸後期に歌川国芳らにより魅力的な作品が描かれました。猫好きの国芳は猫を中心に狸や狐、タコや鳥など擬人化して人間の欲望をユーモアたっぷりに描いています。手足が人間で顔が狐でも不自然さが無いのがすごい。
絵をヒントに隠された意味を読み解く「判じ絵」、駄洒落や駆け言葉に基づく絵など、時にはニヤリと苦笑したり、膝を打って納得する絵で満ち、「笑う浮世絵」の看板に嘘はございません。展覧会は前期と後期に分かれます。後期作品も何が出てくるかと楽しみです。